社会人になって口うるさく言われることで、「メモを取りなさい」良くありませんか?
特に「社内で先輩や上司に話を聞くときには、必ずメモとペンを持って話を聞きなさい」。よくビジネスマナー本にも書いてあることだと思います。実際に、自分も社会人になって何回も「メモをとれ」と会社の先輩や上司に言われました。
仕事中に基本メモはとるべきだとは思っていますが、自分で取った新規のアポの営業商談時はメモを基本的にとるべきではないと思っています。
よく新卒社員の営業や営業成績の良くない営業の人と同行すると、大体の人が必死に商談中にメモをとっています。

なぜ、新規営業の商談中にメモをとらない方がいいのか
あくまで、今回は「自分でアポをとった(アウトバウンド)新規営業の商談」の場合です。相手担当者の目線の立って担当者の心情を逆算して考えると、なぜメモをとるべきではないのか見えてきます。
メモをとると、会話の間ができて顧客担当者をいらいらさせる
まず、商談中にメモをとるケースを想定しましょう。
自分がメモをとっているということは、顧客担当者が話している時だと思います。
では、新規営業時に顧客担当者が話す時はどんな時かというと、ヒアリングをしている時が多いはずです。
よく上司に「ヒアリングをしろ」と言われることも多いと思います。営業初心者の人の多くが「ヒアリングをして、担当者が言ったことを忘れないようにメモしなきゃ」という考えが頭の中で強く、必死に商談中にメモをとろうとします。
しかし、営業を受ける顧客担当者の目線に立って新規営業を受ける場合を考えると、営業マンに対してこの時点で「信用」はもちろんありませんから、なんでも話してくれる優しい担当者を除くと、長々としたヒアリングは担当者をいらいらさせます。
ヒアリングをしながらメモをとっていると、メモを書く時間があるので、必ず会話の間が生まれます。
営業の商談において、ケースによっては商談中の間というのは重要ですが、新規営業の初回訪問時に提案をする前に、ヒアリングをして会話の間ができていると、担当者からすると事情聴取をされているような気分になります。
これが、新規営業で自分でアポをとった初回訪問時においてメモを取るべきではない理由です。
また、商談時にメモをとっていたとしても顧客担当者に営業マンとして興味をもってもらえていなかった場合、2回目・3回目とお会いいただけませんから、その場合とったメモは意味がなくなります。
もちろん商材によりますが、新規営業の初回訪問のゴールで重要なことは「この営業マンは違うな、信用できる」と思っていただき、2回目・3回目訪問につなげるためのリレーションを担当と構築することです。
そのため、メモをとることに夢中になり無駄な会話の間ができて、顧客担当者をいらいらさせてしまっては本末転倒です。
商談は、あくまで「人と人の会話」ですので、相手の心情を考えることが重要です。
実際に、商談で担当者に言われた一言


それなのに、ヒアリングが多くてメモを取っている時間も多いですし、何されに来られたんですか?ご提案がないのであれば、打ち合わせ切り上げてもよろしいでしょうか?
自分自身の体験でもそうですし、後輩社員の同行営業をして実際に顧客担当者に言われた一言です。
共通して言えることは、「時間をとってもらった身にも関わらず、提案をする前にメモをとりながらヒアリングをメインにしている」ということです。また、いずれもヒアリングをしてメモをとってできた会話の間に言われてしまいました。
提案をしたのちに、顧客担当者の表情を見て「この営業マンになら色々と話してもいいな、信用できそうだ」と思っていただけそうであれば、商談中にメモをとってもいいと思っています。
「新規営業で自分でアポをとった初回訪問時においては、メモをとるべきではない」とケースを限定したのは、顧客担当者が営業マンのことを信用していない・さらに自分でとったアポなのでニーズが顕在化している訳ではないため、メモをとって商談中に無駄な会話の間ができると、担当者をいらいらさせるということです。
商談中にメモをとった方が良いケース

新規営業の商談の場合、メモは基本的にはとるべきではないと思いますが、メモをとるべきケースもあると思っています。
それは、自分がわからない単語が出てきた場合や予算などの社内数値が顧客担当者の発言から出てきた場合です。
(商談化した場合には、今後の自分のToDoタスクの整理はメモをしておいた方がいいです)
商談のおおよそな内容はすぐには忘れないと思いますので、商談の後半(提案を終えた)や商談終了後にメモをとればいいと思いますが、自分がわからない単語はすぐに忘れてしまうので商談中にメモをとることをおすすめします。
単語をメモするくらいであれば、そんなに時間がかかりませんから、無駄な会話の間はできないはずです。
もう1点、担当者から予算の金額や数値の話が出ていた場合は、発注をもらうために重要な情報でますからメモをするべきです。
自分がわからない単語が出てきた、担当者が数値の話した場合をメモをする場合、自分が商談時に行っているコツがあります。
担当者が話した後にすぐにメモをとるのではなく、数十秒ほど時間をおいてからメモをとった方がいい。
商談中にわからない単語が出てきた際に、すぐにメモをとってしまうと顧客担当者に「この人、知らないんだ」と思わせてしまいますし、予算などの社内数値の話が出てきた際に「この人、他社に話さないかな」と思わせてしまう場合もあると思いますので、すぐメモをとるとあまりスマートではありません。
細かいかもしれませんが、この細かい行動や自分の表情などは顧客担当者は、営業マンを判断する上でよく見ていますので、自分が商談中に行っている1つ1つの行動や仕草などは注意した方がいいと思います。
まとめ
新規営業で自分でアポをとった初回訪問時において提案前に、メモをとってしまうと無駄な会話の間が生まれ、まるで事情聴取のようになり、顧客担当者をいらいらさせてしまう場合がある。
メモをとることに重点をおかず、あくまで顧客担当者との会話を意識する。
基本的にはメモをとらない方がいいが、「自分がわからない単語」や「予算などの社内数値」(今後の自分のToDoタスク)の話が顧客担当者の発言から出てきた場合は、担当者が話したのちにすぐにメモをとるのではなく、数十秒後にメモをとった方がいい。